
ソロになった故鈴木ヒロミツさんからは想像できないデビューだった。
というより、あの鈴木ヒロミツがあんなに変わるなんて、
ボクたちは思いもしなかった。
彼の顔つきは決してロックンロールではなかったけれど、
デビューのキャッチ・フレーズは“日本初の本格派サイケデリック・グループ”。
モップス、デビュー曲は、67年「朝まで待てない」。
LSDパーティを開いたり、B面曲「ブラインド・バード」が放送禁止になったり、
サイケデリックさを印象付けた。
デビュー・シングルは両面とも阿久悠・村井邦彦だったから
作られたサイケデリック・イメージだと思っていたら、
“モンキーズ”をカバーせよ”なんて言われて断り、レコード会社を解雇された。
実は、アニマルズ好きの実力派グループだった。
その後、ボクが買ったモップスのシングルは、
70年、リトル・リチャードのカバー「ジェニ・ジェニ’70」、
72年、タクローの「たどりついたらいつも雨ふり」。
でも、やっぱり『元気です』のセルフ・カバーの方がボクの好みでした。
遅ればせながら、鈴木ヒロミツさんのご冥福をお祈りします。


