
53年、ドゥワップ・グループ、ドリフターズは結成された。
結成当初の名は、クライド・マクファターとドリフターズ。
今夜引っ張り出したのは54年全米R&Bチャート1位、「ハニー・ラヴ」、
グループ名表記はドリフターズ・フィーチャーリナグ・クライド・マクファター。
軽快なノリで、ちょっとコミカルなタッチの愛すべきドゥワップである。
56年、この曲をカバーしたのは、
フォー・シーズンズの前身、フォー・ラヴァーズ、
もちろんリードはフランギー・ヴァリ。
めちゃくちゃスピード・アップしたアレンジで大騒ぎ、
ちょっとロックンロールしてるのかな?
そして、当のフォー・シーズンズも63年にカバー、
リードは同じフランキー・ヴァリなのだけれど、
フォー・ラヴァーズのアレンジとは一転、
テンポをオリジナルに戻し、
ヴァリのボーカルはお得意のファルセットで、
ドリフターズを進化させた。
進化させたとは、オリジナルを超えた、ということではない、
時代のテイストに合わせて、
自分のグループらしくアレンジしたのだ。
源流に流れる心はオリジナルへのリスペクトに溢れている。
そんなことを思いながら、オリジナルとカバーを楽しむ、
これが、ボクのコレクション・ポリシーなのである。
ちなみに、このフォー・シーズンズの国内盤は、
残念ながら、63年のものではなく、
67年にリリースされた、「雨に言っておくれ」のカップリング。

