
“空気は運びたくない、一番高価な荷物だから。”
最初に勤めた広告会社の、師と仰ぐべき先輩、
彼が書いた、システム梱包会社の広告コピー。
彼は当時四国で一番のコピーライターであった。
アル中ではあったが、真摯な広告人で自由人、うらやましくもあった。
ボクにはマネはできなかったが、あんな生き方もありだな、と今になって思う。
彼が松山に転勤してきて、広告表現や販売促進の手法を学んだ。
しかし、その荒れた生活が原因でリタイアし、
ボクが彼の後釜として、営業マンから企画マンに転身した。
今夜、その広告会社の歓送迎会に出席していて、こんなことを思い出していた。
企画マンに転身した頃、街に流れていた曲は、
前年の暮れにリリースされたテレビ番組の挿入歌、
『欽どこ』、わらべののぞみ・かなえ・たまえの三つ子の姉妹が歌う「めだかの兄妹」。
有名なアーティストでなくても、歌が上手くなくても、
毎週繰り返し繰り返しテレビで流すのだからヒットしないはずはない。
その一年後には「もしも明日が・・・」がリリースされたが、
わらべの長女のぞみちゃんは“ニャンニャン事件”で番組を去り、
兄の見栄晴たちのサポートで歌うこととなった。
話の主題が変わってしまったけれど、懐かしく昔を思う夜である。

